![]()
小室景気が良くてビジネスが好調なときは、放っておいても社内で情報が飛び交い、コミュニケーションが活性化するものです。でも、今のように景気が悪いとバッドニュースが多くなりがちで、組織内の情報流通も乏しくなります。失敗談はもちろんのこと、それに付随する周辺情報まで一人で抱え込んでしまい、組織内の情報の流れが滞ってしまいます。
現状を打破するには、何らかの危機感が必要です。どんな情報でも共有することはいいことなのだなとみんなに思わせることが大切です。すると、バッドニュースもみんなに話すべきだという意識に変わり、最悪の状況になる前に情報が伝わってくるようになる。本当のバッドニュースになる前に問題の芽を摘むことができるんですね。当然、いい情報、悪い情報が早めに集まりますから、ビジネス上の決断も早くなります。
![]()
星野情報共有の重要性は、日本の産業構造の中心が製造業からサービス業に移ってきたことと関係があると思います。製造業が中心の時代は、会社のごく一部の部門がマーケットとコミュニケーションを取り、製造の現場は決められたとおり欠品なく効率的に低コストで生産することが重要でした。
ところがサービス業では、スタッフ一人一人がそれぞれの瞬間に顧客と関わりながら「生産」をしています。目の前の顧客から依頼されたことを今どのように実行すべきか、そこにどの程度のコストをかけるべきかといった判断をその場で素早く決断していく必要があります。つまり、最前線のスタッフにまで情報が共有されていないと顧客の要求に的確に対応できません。その意味で、情報共有力が問われているのです。

小室淑恵(こむろよしえ)
日本女子大学卒業。1999年 資生堂入社、2006年 ワーク・ライフバランス設立。600社以上のワークライフバランス組織変革コンサルティング事業を手がけている。公務で委員を務め、著作も多数。

星野佳路(ほしのよしはる)
慶応義塾大学卒業。1986年米国コーネル大学ホテル経営大学院経営学修士号。シティバンクを経て1991年1月、星野リゾート(前身の星野温泉)社長に就任。リゾナーレ小淵沢、アルツ磐梯リゾート、アルファリゾート・トマムなどリゾートの買収、再建を手がける「リゾート運営の達人」。















